こんにちは!名古屋住み主婦 リサリサです。
愛知県美術館で開催中の
愛知万博20周年記念事業 特別展示 フランス・オービュッソンのタピスリー『千と千尋の神隠し』
に行ってきました。
スタジオジブリの名作『千と千尋の神隠し』のワンシーンが、フランスの伝統的な織物
オービュッソンのタピスリーで織られているという なんとも興味深い展示。

タピスリーとは…麻や絹、ウールなどの織物で絵や模様を織り出した壁掛けや室内装飾品のことで、英語で言う「タペストリー」のことだよ♩フランス語だと「タピスリー」って言うんだね。
タピスリーは、なんと日本で初めての公開だそうで。
はるばるフランスよりお越しになった、貴重なタピスリーを見るべく愛知県美術館に行ってきました。
幸運にも「オービュッソン国際タピスリーセンター 館長の記念講演会」に見事当選したので
こちらも聴講してきました。
オービュッソンのタピスリーとは?
オービュッソンはフランスの中央部にある街のこと。
遙か昔5世紀頃からタピスリーは織られてきたそうです。

日本ではちょうど「応仁の乱」ぐらいの時期やで
かの有名な太陽王 ルイ14世によって「王立製作所」が作られました。
タピスリーの歴史はとても遙か昔ということですねぇ。
後継者不足等の苦難の時期を乗り越えながらも、国立装飾芸術学校の設立などのおかげで、その技術を絶やすことなく、今に至るそうです。
タピスリーの技術は、なんと!ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
フランスのオービュッソンの職人さん✖️日本を代表するアニメ 宮崎駿のジブリ作品
一体どんなタピスリーに仕上がっているのでしょうか?
息をのむ美しさ!「千と千尋の神隠し」のタピスリー
タピスリーが展示されているのは、
「愛知県美術館」の10F 「愛知県芸術文化センター」 展示室4 です。
同時開催している「どうぶつ百景―江戸東京博物館コレクション」のポスターしか掲示されていなかったので、何度も10Fをウロウロしてしまいました。
安心してください。10Fの受付に迷わず行ってください。
※ちなみに10Fにはウルフギャング・パック があるので、お腹が空いたら寄ることもできます。
いよいよタピスリーとご対面!

まずは、その大きさに圧倒される。(その大きさ22.5平米!)
一体どれだけの糸を使ってるの?
どうして、こんなに影が表現できるの?
どうして「カオナシ」は 透けて見えるの?



タピスリーから、温度や空気感まで伝わってくるようで、なかなかその場を離れられない。
この糸の数にもぜひ注目してみてください。

この絵のためだけに染め上げられた糸の数々。
この糸を撚り合わせていくと、色のバリエーションは、さらに広がります。
職人さんの途方もない時間と情熱が、この一枚のタピスリーに凝縮されているのだと感じ、改めて感動しました。
完成までオモテから見ることができない?
タピスリーは全て「カルトニエ(cartonnier)」という下絵職人によって原寸大に描くところからスタートします。下絵には
- どんな織り方にするのか?
- 糸の種類
- 糸の色
に至るまで詳細に指示がされています。

つまり、タピスリーの設計図です。
設計図の指示通りに織っていくのですが、織るときは常に裏面から織っていくので、下絵も右左反転の絵となっています。

え???裏側から織るとな?
そう、タピスリーは裏側から織っているので、
完成し→織り機から外すために糸を断ち切る「トンべ・ドゥ・メティエ(tombe de metier)の時まで、誰も表側を見ることはできません。
完成して織り機から外すその時まで、表の様子を見られないなんて!!!
焦らしの芸術…がタピスリーなんです!


講演会で聞けたイロイロ話
講演会で聞けたイロイロ話をご紹介
タピスリーの制作期間は?
タピスリーを織る作業期間は、種類にもよりますが…15〜18ヶ月は要するとのこと。途方もなく長い制作期間ですね。
千と千尋の神隠し以外の作品はないの?
その他の作品は以下の通り
- もののけ姫
- 風の谷のナウシカ
- となりのトトロ
- ハウルの動く城
もののけ姫のタピスリーは、先日より開幕した EXPO 2025 大阪・関西万博 フランス館で展示されるとのこと。

となりのトトロ 「メイとトトロのお昼寝」は 31.65平米でさらに大きく、2027年〜2028年に日本に来るかも!とのこと。

可愛いメイちゃんのお昼寝姿が見られるのが とても楽しみです。
まとめ
愛知万博20周年記念事業 特別展示 フランス・オービュッソンのタピスリー:『千と千尋の神隠し』展は、ジブリファンはもちろん伝統工芸やアートに興味のある方にも、ぜひ足を運んでいただきたい素晴らしい展示でした。
長きにわたり受け継がれてきたオービュッソンの技術と、
日本が誇る宮崎アニメが見事に融合した芸術を ぜひ会場で味わってみてください!
【愛知県美術館】
- 所在地:愛知県名古屋市東区東桜1丁目13番2号 愛知芸術文化センター10階
- 開館時間:10:00-18:00(金曜日は20:00まで)※入館は閉館30分前まで
- 休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は翌平日)
- 観覧料:[公式HPでご確認ください]
- アクセス:地下鉄東山線・名城線「栄」駅、名鉄瀬戸線「栄町」駅から徒歩3分
- 公式サイトURL:https://www-art.aac.pref.aichi.jp/
愛知万博20周年記念事業 特別展示 フランス・オービュッソンのタピスリー:『千と千尋の神隠し』
- 会期(前期):2025年4月11日(金)- 6月8日(日)
- 会期(後期):2025年7月4日(金)- 8月17日(日)
- 開館時間:10:00-18:00(金曜日は20:00まで)※入館は閉館30分前まで
- 料金:[公式HPでご確認ください]
- 公式サイトURL:https://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/Aubusson_Tapestry.html